主な疾患
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- 食道・胃・十二指腸の悪性腫瘍:食道がん、胃がん、十二指腸がん
- 定期的な内視鏡観察により病変を早期に発見することが可能です。
粘膜内にとどまる早期の胃がんや食道がんは開腹や開胸手術を行わずに内視鏡的な切除術で治療することが可能な場合があります。
進行した場合は外科手術・がん薬物療法(抗がん剤)・放射線治療などによる集学的治療が必要となります。
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- 喉頭・咽頭の悪性腫瘍:下咽頭がん、喉頭がん
- 消化管内視鏡検査の際に喉頭・咽頭の観察が可能です。早期の咽頭がんは頚部の切開を伴わない口からのアプローチによる手術が可能な場合もあります。
進行した場合は外科手術もしくはがん薬物療法(抗がん剤)・放射線治療などによる集学的治療が必要となります。
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- 逆流性食道炎
- 胸やけや胸・背中の違和感・痛みの原因となります。多くは胃酸と胃の内容物が食道への逆流することで引き起こされるので、内服薬による胃酸分泌や胃の機能の正常化を目標に治療を行います。
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- 急性胃炎
- 過度なストレスや飲酒や喫煙あるいは消炎鎮痛剤の内服などで引き起こされます。胃粘膜の急性の炎症であり、心窩部(みぞおち周囲)の不快感や痛みを伴います。
内服薬による胃酸分泌や胃の機能の正常化を目標に治療を行います。
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- 慢性胃炎
- 慢性的な胃粘膜の炎症状態が持続すると粘膜の防御機能が低下していき、心窩部(みぞおち周囲)の不快感の原因となります。長期間の炎症状態により胃の粘膜は萎縮して腸に似た粘膜へ変化してしまい、その機能を低下させるだけでなく胃がんの発現リスクが高まります。
また、慢性胃炎にはピロリ菌が関与することが多いので、将来の胃がん発現リスクを低下させる目的でその検査・治療(除菌)が必要となることもしばしばあります。
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- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 胃酸分泌と胃粘膜の防御機能のバランスが崩れると発生します。心窩部(みぞおち周囲)の不快感や痛みを伴います。多くは急性胃炎や慢性胃炎を伴いますので、内服薬による胃酸分泌や胃の機能の正常化を目標に治療を行います。
治療に効果を認めた後も定期的な観察が推奨されます。
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- 胃ポリープ
- 胃に発生する良性の腫瘍です。過形成性および胃底腺に分類されますが、基本的に治療は必要なく、定期的な観察だけでよいものです。増大した場合に出血を伴うことがあり、それによる貧血を認める際には切除の対象となる場合もあります。
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- 機能性胃腸症
- 心窩部(みぞおち周囲)の不快感や痛みまたは腹部の膨満感など感じるものの、内視鏡検査などで消化管の粘膜に肉眼的な異常を認めない病態です。多くは胃や腸の運動機能の低下によって引き起こされるもののため、内服薬により胃腸の蠕動運動を調整する治療を行います。
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- 感染性胃腸炎・寄生虫
- ウイルスや細菌によって起こる胃腸炎は心窩部(みぞおち周囲)の不快感や痛みおよび下痢・吐気・嘔吐などを引き起こします。ウイルスが原因の場合は症状を和らげる対症療法を、細菌が原因の場合は抗菌剤による治療を行います。また、食事と一緒に胃へ進入する寄生虫であるアニサキスは激烈な心窩部(みぞおち周囲)の痛みを伴うことがあります。この寄生虫は内視鏡で診断・摘出が可能です。
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- 大腸ポリープ
- 腫瘍性と非腫瘍性(炎症などが原因のもの)に大別されます。腫瘍性のうち良性である腺腫がいわゆる「大腸ポリープ」と呼ばれています。この腺腫は数年以上をかけてゆっくりと育ち、その過程で一部ががん化して大腸がんを引き起こします。またポリープはその表面から出血を伴うことが多いため、便潜血の検査を行うことでその存在を予測できます。さらに大腸ポリープを定期的に観察あるいは切除することでがん化のリスクを低下させることが可能です。
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- 大腸がん
- 多くは良性の腫瘍である大腸ポリープ(腺腫)が数年以上かけて増大する際にその一部ががん化することで発症します。大腸ポリープを定期的に観察あるいは切除することでがん化のリスクを低下させることが可能です。また、がん化を含むポリープでも早期の場合は内視鏡的な切除により根治が期待できます。ただしなかにはポリープに関連しない急速な発育を示すタイプも存在しますので注意が必要です。進行を防ぐためには定期的な便潜血検査と内視鏡観察が有効とされます。
進行した場合は外科手術やがん薬物療法(抗がん剤)による集学的治療が必要となります。
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- 脂肪肝
- 脂肪は肝臓で作られて蓄積されていきますが、消費されるよりも蓄積される量が多くなると肝細胞の変性が起こります。長期間の脂肪肝は肝機能の低下から肝硬変へ進むこともあります。原因は非アルコール性やアルコール性に大別されますが、いずれも生活習慣の改善と必要に応じた内服薬が必要になります。診断は超音波検査や生化学検査(採血)が有用です。
その他、胆石、膵炎、ウイルス性肝炎などご相談ください。